オオカミの心、豚知らず
オオカミさんが仕事を終えて、こぶたのお家に帰ってきました
オオカミさんのお仕事は、朝から次の日の昼ころまで、、、
クタクタになって帰ってくると、オオカミさんは、自分の左耳がとてもおかしいことに気づきました
実はその異変には数日前から気づいていましたが、こぶた達の面倒を見るのが忙しくて黙っていたのです
さすがのオオカミさんも、
(これはおかしい、、、)
と思い、お医者さんに行くことにしました
お医者さんに行くと、
急に耳が聞こえなくなる病気
めまいや吐き気がすごい病気
のどちらかだと言われ、たくさんのお薬をもらいました
お医者さんからは
「最近、辛いことや疲れていることはありませんか?」
と聞かれました、、、
オオカミさんは、お医者さんから薬ももらった後、すぐに、こぶたのお家に帰りました
そして、『みー』と『ひー』を幼稚園に迎えに行きました
オオカミさんは、昨日からの仕事でほとんど眠れていませんでした
さらに、耳の病気で頭が重たかったり、変な音が聞こえたりしていました
ですから、車の運転も大変危険でした
でも、オオカミさんは、二人を幼稚園に迎えに行くのが大好きだったので、『あー』を連れて二人を迎えに行きました
きっと、幼稚園の出口では、二人が最高の笑顔で抱き着いてくれると信じていたからです
幼稚園に着いたオオカミさんは、嬉しそうに車を降りて、『みー」と『ひー』がお迎えを待っているところまで行きました
すると、そこに出てきた『みー』が、明らかに不機嫌、、、、
「おかえり!」
そうオオカミさんが笑顔で声を掛けても
「パパ!幼稚園、、、イヤやった!!」
と怒ってくる始末、、、
車に乗る前には、自分の着ていたジャンバーを
バサッッ!!!
と乱暴に地面に投げつけて、何かに怒っていました
オオカミさんは、幼稚園で辛いことがあったのだろうと思い、ただ何も言わず『みー』を見守っていました
そして、車に乗りこんだ時、オオカミさんが『みー』に
「幼稚園で辛いことがあったんやね、、、、」
と言うと、『みー』は
「違う!!!」 「幼稚園のお迎え!!!」 「お迎えよ!!」
「パパ、イヤやったの!ママがよかったの!!」
オオカミさんは、この時、『みー』の魂の声が、左耳から
ビリビリ
に割れた音で聞こえていました
「そうか、、、ごめんね、、、。」
オオカミさんは、疲れた声でそう答えました、、、
おしまい!またね