3匹のこぶたと気まぐれオオカミ

男子3兄弟とアラフォー父の物語

良兄暴君『みー』

こぶたの3兄弟で1番上のお兄ちゃん『みー』4歳

とっても明るく優しい性格で、お調子者

『ひー』や『あー』が産まれた時も、赤ちゃん返りすることなく、オオカミさん赤ずきんちゃんの言うことをよく聞いてくれました

初めての子供だったから、オオカミさんは色んな物を買ってあげました

その反面、とても厳しくもありました

今では、オオカミさんがいないときには、とても頼りになるお兄ちゃんだと、赤ずきんちゃんも感心しています

ところが、少し前から『みー』は苦しんでいました

訳の分からない事で怒り出し、物を投げつけたり、オオカミさん達に乱暴な事をするのです

 

ある時は、オオカミさんが『みー』が行きたいと言った公園に連れて行ったのに、着いた途端に怒り出し、涙を流し始めたのです

オオカミさんは訳がわからず、どうしたのか、と尋ねました

『みー』は、涙を浮かべたままオオカミさんを睨み、しばらく黙っていました

そして、

「靴をはいて、抱っこして!!」

と怒ってきました

全く意味が分かりません、、、

 

ある時は、オオカミさんと一緒に階段を機嫌良く降りていたのに、ほんの数段オオカミさんが先に降りただけで

「なんで先に降りるんだ!!」

と怒り出し、1人で遠くに行ってしまいました

オオカミさんが慌てて追いかけると

「あっちに行く!」

と駄々をこねます

その姿をオオカミさんが黙って見ていると、急に

「パパ!ロボ父ちゃんして!」

と怒りながら駆け寄ってきました

ロボ父ちゃんとは、肩車のことです

オオカミさん

「はぁ〜、、、」

とため息をつきながら肩車をすると、今度は『みー』が

「ああ、ごめんごめん、降りる、パパしんどいよね、、、。」

と優しい言葉をかけてきたのです

オオカミさんは、大丈夫と言いながら、『みー』を肩車して歩きました

オオカミさんは、

(ホント訳が分からんな〜、どうしたらいいの、、、)

と思ってしまいました

 

オオカミさんは、『みー』が不安定な状態なのが心配になり、色々と調べてみました

すると、4歳くらいになると自我の芽生え等によって暴君になることもあるようです

でも、それは子供が成長している証拠だと分かりました

それを知って安心したオオカミさんは、

(この小さな頭と身体で、色々苦しんでるんだろうな〜)

と思い、『みー』が暴君となった時は、決して感情的に怒ったりせず、話を聞いたり、諭すようにしようと思いました

ちょっとした事で、よく吠えていたオオカミさん、、、

よくよく考えてみれば、こぶた達がオオカミさんにくれているものは、『喜怒哀楽』で言えば、『喜』と『楽』が多いはずで、『怒』や『哀』などは一瞬の出来事だと気づいたのです

『みー』は、頑張って成長しようとしていました

 

おしまい!またね